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ジギー・ポップは死んだ

もう死んだ人よ

プリデスティネーション を見ました

★3.5〜3.9 映画 洋画 SF イーサン・ホーク

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ガンガンネタバレ書いていくので本編見てない人たちは今のうちにみんな逃げろ。後悔するぞ

 

 

 

 

 

 

 

この映画を見たのは、もちろん他でもなくイーサン・ホークきっかけなんだけど、ツイッターで #ラストシーンにやられた映画 ってハッシュタグを見てた。そしたらプリデスティネーションについてツイートしてる人がいて。

どんでん返しとか、結構好き。ならば見てみようと思った。でもこういうものは、本当はなんの仕掛けもないと思いながら見て、そういうことだったの?!ってなるのが一番なんだよね。

でもあのツイートを見なければ、先送りにしてたと思う。

 

映画の導入をぼんやり見てたから、火だるまになったのは誰だ?って思った。イーサンが火だるまなのか、後ろから狙撃してたやつなのかわからなかった。目覚めた時、顔が包帯でぐるぐるだったわけだけど、包帯の隙間から覗く目がきれいな青だったから、イーサンなんだってわかった。あの目を見てガタカのラストシーンを思い出した。

声帯?元からこんな声じゃなかった?とちょっとひっかかった。若い時はもっと細くて透き通ったきれいな声だったけど、見た目がどんどん美少年から渋いおじさんになってる。声色とともに。

まあそんな疑問はすぐに忘れた。

 

バーで未婚の母、またの名をジェーン、現在名をジョン。ジョンの話を聞くイーサン(とてもややこしい)がジョンに「同志よ」って言った。完全なる伏線だった。

たしかに、ジョンのこれまでの人生に尺を取りすぎだなって思った。一体なんの映画なんだよって。でもなかなかに面白いのでそのまま見てた。

赤ちゃんを盗んだ犯人が俺やお前のような細身の男、というようなことを言ってたけど、ジョン細身か????ってちょっと思った。なんか大元が女性だと思うと丸みというか厚みを感じた。

 

ジョンは、自分がかつて愛した男とはじめて会った時間へ飛ぶ。

どうやって二人の未来を変えるんだろうと思った。赤ちゃんを盗まれたという悲劇を変えたいのなら、もう少しだけ未来へ飛んだほうが確実なのではないかと思った。もしここで阻止できたとしても、それからの未来でまた出会うきっかけがあるかもしれない、とね。でもそんなの杞憂だった。

ジョンがジェーンに直接接触しようとしているのがわかって、すぐにピンときた。ジェーンが恋した男は未来の自分自身だった。なんて虚しいことだろう。

 

わたしもよく、考える。わたしは自分に似てる人が好き。

性格はまさにそう。暗そうな顔してる人が好きだし、厭世的な思想を持ってて繊細で放っておいたらマンションのベランダから飛び降りそうな男が好きだよ。顔も、好きな俳優に似てるって言われること結構ある。たしかにわたしは童顔が好きだし、わたし自身も未だ「高校生になったの?」って声をかけられたりする。中学を卒業したのはもう4年も前のことだ。

顔はもっと理想とするものがあるけど。わたしみたいな男が目の前に現れたら絶対好きだわ、って思う。

でもな、自分自身だという前提では愛せないだろうな。わたしはわたし自身が許せない。

ジョンはジェーンのことを「愛してる」と言った。強いと思った。優越感が強いというのは、自分が優れていると認めること。自信。自尊心。これが自己を愛する力を持っている証拠だと思う。わたしはほかの誰かが認めてくれないと自分の価値が推量れなくて困ってるよ。誰も認めてくれないから。

 

ジェーンと出会いを果たしたジョンを残し、イーサン(ややこしい)も一人時空を移動する。

爆弾魔を後ろから狙撃。長髪と、パンチやキックでイーサンをぶっ倒したことから、爆弾魔の正体はジョンだと思った。子どもの頃から喧嘩ばかりしていて誰よりも強かったと語っていたし、元女性ならば髪を伸ばすことに抵抗もないだろうと思って。

一度倒れたイーサンが起き上がると、爆発現場から物音。まさに、爆発した直後。自分が火に飲まれているところ。

火だるまになった時に、自分のそばにあった足の正体はイーサン自身だと知る。

ここで火だるまを見て思った。これ、ほんとうにイーサンかな?って。骨格が丸くてジョンっぽく見えたんだけど、まあ特殊メイクだしそんなもんかなってね。

 

 やがてジョンはジェーンの元を去り、イーサン(ごめんなさい)の元へやって来る。

そろそろ俺のこともわかるだろう、って言葉に こいつが赤子泥棒かと思った。それはまさにその通りだったわけだけど、その赤ちゃんの行き先はなんとジェーンが育った孤児院だった。

そしてジェーンは成長し、ジョンと恋に落ちて、娘を産んで、娘を盗まれ、これまでの人生を呪い、あのバーでイーサン(申し訳ない)と出会うんだ。

娘の母親はジェーン、父親はジョン。そりゃ自分そのものが産まれるはずだ。遺伝子異常が起きそうなものですが。

 

ここまでのわたしはジェーンの人生を狂わせた赤ちゃん泥棒はイーサンで、ジョンとは何も関係がないと思ってたけど、ジョンが最初の任務のテープを聞いているのを見て、ようやくすべてがわかった。

わたしはてっきり、イーサンが過去のイーサンに向けて残したテープだと思ってた。まあたしかにその通りだったわけだけど、この時のわたしはジョンがジェーンでイーサンがジョンだということがわかってなかった。

交錯して絡みまくってた時間の断片が見事一本につながった。

 

 

すごいと思った。よく考えたものだ。期待してなかったが面白かった。

 

時空移動系の話はやっぱり面白い!けど、こういう物語を作るのはさぞ大変なことだろうなと思う。映像で見ているだけでもこんがらがる。

 

こういった話をわたしはたくさん見ているわけではないんだけど、こういった無情な形で進んでいくストーリーははじめてかも。

過去に戻って未来に影響を与えるか、過去に戻って今の未来を守るかの二つ。

 

親殺しのパラドックスという言葉を聞いたことがある。たしか、自分が生まれる以前の過去に戻り自分の親を殺すとする、そうすると今親を殺した自分はどうなってしまうのかというもの。だったような。 そんな言葉を思い出した。

過去があるから未来がある、というよりも過去から未来までの時間軸、そこで起こる出来事はすでに完成していて、何かの干渉が加わったとしても揺らぐことのないものなのかもな、って子どもの頃よく考えたりしてた。物語の本と一緒。本ができたときからはじまりとおわりが決まってる。世界もそれと一緒で、わたしたちは今途中のページにいるのかなあという風に。だからわたしたちが未来を作り出そうとしたところで不毛なこと。何もしなくても未来は当たり前にやって来るのかなーなんて。

 

 

『時空へ逃げても追い詰める——』なんてキャッチコピーがついていたから、てっきり殺人鬼イーサンが主役を追い回すサイコSFホラーなのかと思った。夢の中でも追い回すフレディみたいに。

 

 

わたしも火だるまになればイーサン・ホークの顔になれるだろうか。

そう考えたら、イーサンのヒゲ不自然だな。ジョンの時になかったヒゲが生えるものなのかな(ヒゲのないイーサンを拝みたいだけ)

 

 

 

★3.6